院内ブログBlog

2021.01.22
唾液の働き 2021.1.29

歯科衛生士の業務

皆さんこんにちは。

赤坂ヴィーナスデンタルクリニックの衛生士の小笠原です。

本日は唾液についてのお話しです。

皆さんが唾液のことを普段意識することは少ないかもしれません。

しかし、

唾液にはさまざまな働きがあり、唾液によってお口の中の健康を守ってくれています。

また、食べる・話すといった口の機能にも大きく影響するため、唾液が減ると口の中だけでなく体のさまざまな機能に悪影響を及ぼしてしまいます。
唾液を多く分泌することは、口の中の健康や全身の健康、またQOLの向上に繋がります。

まず唾液とは・・・

唾液とは、唾液腺から口腔内に分泌される分泌液であり、水分だけでなく電解質や酵素などを含みます。唾液の分泌量は1日1リットル~1.5リットルと言われておりますが、個人差があります。

健康状態や年齢、性別などによっても違いがあります。


また、唾液の質にも個人差があります。

口の中の酸を中和する作用(唾液緩衝能)が低いと虫歯になりやすく、唾液の質が虫歯にも影響します。

唾液を調べることによって

虫歯や歯周病のリスクを把握することが出来ます

ので気になる方は是非一度検査をお受けいただければと思います。

ではここからは

唾液の驚くべき効果についてお話しさせていただきます。


1.食べ物を飲み込みやすくする

唾液は、食べ物を湿らせて飲み込みやすくします。

唾液にはムチンというたんぱく質が含まれているため粘性があり、食べ物が塊になりやすく、飲み込みがスムーズになります。

2.味を感じやすくする


舌の上には「味蕾(みらい)」という味を感じる器官があり、味物質が唾液に溶けて味蕾で味として感じます。そのため、唾液が十分に分泌されていないと、本当の味が感じられません。

3.消化酵素としての働きをする(消化作用)


唾液の中には、「アミラーゼ」という消化酵素が含まれています。アミラーゼには、デンプンを分解して吸収をスムーズにする働きがあります。

4.細菌の働きを抑制する(殺菌作用)


唾液には口の中の細菌の働きを抑制して、病気を防ぐ働きがあります。口の中に存在する、虫歯・歯周病の原因細菌はもちろん、外から入ってくるウイルスなどの働きを抑えてくれます。

5.再石灰化を促進する(再石灰化作用)


細菌が作り出した酸によってエナメル質の成分が溶け出しますが(脱灰)、唾液に含まれるミネラルがそれを修復し、元の状態に戻してくれます。

これを「再石灰化」といいます。

6.酸性に傾いた口内環境を中和する(緩衝作用)


食事をすると、口の中が酸性に傾いて歯が溶けやすく(虫歯になりやすく)なりますが、唾液によって酸が中和されることでその状態を防ぐことができます。

7.口の中を清潔にする働き(自浄作用)


唾液には、食べカスなどの口の中に残った汚れを洗い流す働きがあります。十分に唾液が分泌されていれば、それだけでも口の中を清潔に維持できるようになります。

このように唾液にはたくさんの驚くべき効果がありますので

是非皆さんも唾液を多く分泌してあげられるよう、唾液腺マッサージなどを積極的に取り入れていただければなと思います。

担当 小笠原